花の顔(読み)ハナノカオ

デジタル大辞泉 「花の顔」の意味・読み・例文・類語

はな‐の‐かお〔‐かほ〕【花の顔】

咲いている花の姿。
「昨日見し―とて今朝見れば寝てこそ更に色まさりけれ」〈後撰・春下〉
はなのかんばせ」に同じ。
奥山の松のとぼそをまれにあけてまだ見ぬ―を見るかな」〈若紫

はな‐の‐かんばせ【花の顔】

花のように美しい顔。
「―月の眉女子にして見まほしき優男やさおとこ」〈円朝怪談牡丹灯籠

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精選版 日本国語大辞典 「花の顔」の意味・読み・例文・類語

はな【花】 の 顔(かお)

① 咲いている花の姿。花の様子。《季・春》
※後撰(951‐953頃)春下・一二八「きのふ見し花のかほとてけさみればねてこそさらに色まさりけれ〈藤原定方〉」
② 花のように美しい顔。花のかおばせ。花のかんばせ。花顔(かがん)
源氏(1001‐14頃)若紫「奥山の松の戸ぼそをまれに明てまだ見ぬ花のかほを見るかな」

はな【花】 の 顔(かんばせ)

俳諧・増山の井(1663)三月「花の姿 花のかんばせ 花のはだへ 花こころ、人のうへにたとへいひたる詞也」

はな【花】 の 顔(かおばせ)

※光悦本謡曲・楊貴妃(1470頃)「雲の鬢づら、花のかほばせ」

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