デジタル大辞泉
「花の衣」の意味・読み・例文・類語
はな‐の‐ころも【花の衣】
1 はなやかな衣服。
「みな人は―になりぬなり苔の袂よかわきだにせよ」〈古今・哀傷〉
2 花染めの衣服。
「降る雪にさてもとまらぬ御狩野を―のまづかへるらむ」〈拾遺愚草・上〉
3 花を着物に見立てていう語。
「春風の今朝速ければ鶯の―もほころびにけり」〈拾遺・物名〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
はな【花】 の 衣(ころも)
① 美しい衣服。はなやかな衣服。多く、春の服をいう。花の袂(たもと)。花の袖。花のころもで。花衣。
※古今(905‐914)哀傷・八四七「みな人は花の衣になりぬなりこけの袂よかわきだにせよ〈
遍昭〉」
② 花染めの衣。花の袖。花の袂。
※拾遺愚草(1216‐33頃)上「ふる雪にさてもとまらぬみかり野をはなの衣のまづかへる
らん」
③ 観桜の時の
晴れ着。
花見の
衣装。花の袖。花の袂。《季・春》 〔
俳諧・増山の井(1663)〕
④ 咲いている花を衣に見立てていう語。多く、梅・桜の花をいう。花の袖。花の袂。
※拾遺(1005‐07頃か)物名・四一四「春風のけさはやければ鶯の花の衣もほころびにけり〈よみ人しらず〉」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報