艮(漢字)

普及版 字通 「艮(漢字)」の読み・字形・画数・意味


6画

(異体字)
7画

[字音] コン・ゴン
[字訓] もとる・なやむ

[説文解字]

[字形] 会意
目+人。目は呪的な目的で聖所などに掲げられている邪眼。その下に、後ろ向きに退く人の形がかかれており、進入者がその邪眼におそれて卻(しりぞ)く意をあらわす。ゆえに很戻(こんれい)の意となる。〔説文〕八上に「很(もと)るなり」とあり、很もその形に従う。神域にこれを施して、出入を禁ずることを限という。限の従う阜(ふ)は、神梯の象である。

[訓義]
1. もとる、邪眼によって遮られる、とまる、さからう。
2. かぎる、かたくとめる。
3. なやむ、くるしむ。
4. 易の六十四卦の一。方位に配して、うしとら。時刻に配して午前二時~四時。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕艮 カタシ・アラソフ・ウシトラ・シヌ・ヤマ・トドム

[部首]
〔説文〕に字を匕(ひ)部に属し、匕目の会意とし、部首を建てないが、〔康熙字典〕に艮部を建て、良・艱などを属する。良は風を送って選穀をする風箱の形、また艱は形声の字で、ともに艮を部首とする字ではない。

[声系]
〔説文〕に艮声として很・跟・眼・根・痕・恨・垠・艱・限など十七字を収める。眼は邪眼、これによって進むことを抑止され、止まり、心に任せぬ状態を示す。艮声の字に、その声義をとるものが多い。(退)の従うところは撤饌の象で、同じ形であるが、艮とは声義ともに異なる字である。

[語系]
艮knは恨hn、狠ngonと声義近く、狠は犬の相争う意。限hen、岸nganは人の進入を許さない峭絶のところをいう。khunは門、また人を遮るところである。

[熟語]
艮維艮音艮磑艮隅艮頭

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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