艦隊決戦主義(読み)かんたいけっせんしゅぎ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「艦隊決戦主義」の意味・わかりやすい解説

艦隊決戦主義
かんたいけっせんしゅぎ

敵味方の主力艦隊が,決定的な海戦において一方を撃滅し,制海権を決するという思想。古くは 16世紀のスペインの無敵艦隊 (アルマダ) とイギリス艦隊,19世紀のトラファルガルの戦いから,近代に入ってはユトラント沖の海戦がこの形式をとった。日本海軍は黄海海戦日本海海戦において艦隊決戦を行い,決定的な勝利を収めた。太平洋戦争ではミッドウェー,南太平洋,マリアナと数次にわたって航空母艦を中心とする日米の艦隊決戦が行われたが,最後のフィリピン沖海戦までは両軍とも決定的戦果は得られなかった。海洋国は制海の確保がその生存上死活的に重要であるので,艦隊決戦主義をとり,大陸国は現存艦隊主義と通商破壊戦に重点をおく場合が多い。 (→大艦巨砲主義 )  

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android