船越(読み)ふなこし

精選版 日本国語大辞典 「船越」の意味・読み・例文・類語

ふな‐こし【船越】

〘名〙 (「ふなごし」とも)
① (船をかついで越したところから) 半島などで、陸地の幅が最も狭いところ。
② 船から船へ板をかけて、その上を越して渡ること。また、船を越して向こうに渡ること。
長唄両国八景(1876)「船なればこそ涼ぞと、いひし橋間の船ごしに」

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日本歴史地名大系 「船越」の解説

船越
ふなこし

中世よりみえ高来たかく郡内の郷村。嘉元四年(一三〇六)二月日の安富泰成重申状(深江文書)に「肥前国船越村」とみえ、村内の田地屋敷以下を船越又次郎入道如覚が違背したとして安富頼泰代の泰成から訴えられている。この頼泰は深江ふかえ(現深江町)地頭であるが、正和三年(一三一四)には「船越村惣領主家通」(船越次郎家通)の注文に従って嘉元二年以来年々対捍してきた船越村の年貢済物などを究済するよう伊佐早いさはや庄雑掌から訴えられている(正和三年九月日「伊佐早庄雑掌重申状」同文書)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「船越」の意味・わかりやすい解説

船越
ふなこし

広島市東部、安芸(あき)区の一地区。旧船越町。広島湾に面し、江戸時代に新田化された地で、現在は日本製鋼所やその下請工場が多く立地する。広島市中央卸売市場東部市場がある。

[北川建次]

『『船越町史』(1981・広島市)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「船越」の意味・わかりやすい解説

船越
ふなこし

愛媛県南西端,西海半島基部にある漁村愛南町西海地区の中心集落。足摺宇和海国立公園の観光拠点で,宇和海海域公園地区で知られる鹿島へは定期観光船が発着する。船越-平城(御荘地区)間に県道320号船越平城線が通じる。

船越
ふなこし

広島市南東部,安芸区の海田湾北岸の地区。旧町名。 1975年広島市に編入山陽道に沿って東から海田市 (かいだいち) ,船越,府中と続く小村の1つであったが,江戸時代から大正期にかけて前面の海田湾の干拓が進み,1920年,製鋼所が立地して発展端緒となった。第2次世界大戦後の 55年頃から自動車関連工場や住宅地がふえて近郊住宅地となった。

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百科事典マイペディア 「船越」の意味・わかりやすい解説

船越【ふなこし】

陸地が細くくびれて両側が海に臨む地。船をかついで越すのでつけられた呼称とされ,広島県広島市,岩手県山田町,三重県志摩市,長崎県対馬市(対馬の大船越)などに地名として残る。

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世界大百科事典(旧版)内の船越の言及

【男鹿[市]】より

…1954年,船川港町と隣接4村が合体して市制。翌年,船越町,北浦町を編入。人口3万2484(1995)。…

※「船越」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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