船江城跡(読み)ふなえじようあと

日本歴史地名大系 「船江城跡」の解説

船江城跡
ふなえじようあと

[現在地名]松阪市船江町

浄泉じようせん寺付近に城郭があったといわれるが、現在遺構は知られない。「桜雲記」応永二二年(一四一五)春の条に、伊勢国司北畠満雅と伊勢守護世保康政(大膳大夫)・先守護仁木満長らとの戦闘に際して、「今徳・榊原八田・天花寺・曾原・船江・波瀬・岩内大淀・玉丸等ノ諸城ヘ軍士ヲ分ケ堅ク守ル」とみえ、船江に満雅方の軍事施設が設定されていたことがわかる。「勢州四家記」の永禄一二年(一五六九)八月の条に、織田信長の勢州発向に抗する北畠方の防衛拠点の一として船江城の名がみえ、本田左京亮がその守護として記されている。「大河内御所兵乱記」には「船江勢信長ノ幕討先陣大河内城責事」として、「抑南伊勢ノ順路ハ船江ナリシカハ、信長大河内エ馳向ハヽ、途中ニシテ遮レトテ、本田美作守親定カ息小次郎親康ヲ船江城ニ籠置、軍兵余多差置ケル」とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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