舞鶴(読み)マイヅル

デジタル大辞泉 「舞鶴」の意味・読み・例文・類語

まいづる【舞鶴】[地名]

京都府北部、若狭湾に面する市。西舞鶴はもと田辺といい、京極牧野氏城下町商港として発展東舞鶴は旧海軍の軍港。第二次大戦直後は引き揚げ港となった。人口8.9万(2010)。

まい‐づる〔まひ‐〕【舞鶴】

舞っているツル
紋所の名。ツルが翼を広げた姿をかたどったもの。

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精選版 日本国語大辞典 「舞鶴」の意味・読み・例文・類語

まい‐づる まひ‥【舞鶴】

[1] 〘名〙
① 舞っている鶴。
浄瑠璃・松風村雨束帯鑑(1707頃)五「まひづるの舞ひ悦ぶや」
② 紋所の名。鶴が翼をひろげた姿をかたどったもの。
※浮世草子・好色一代女(1686)五「角のうちに小の字舞鶴(マヒヅル)香の図無用の紋所を移し」
③ 江戸時代、元祿一六八八‐一七〇四)ごろ、京都で最上の銘酒の名。別名、さざれいし。
※浮世草子・好色一代男(1682)一「京よりもたせたる、舞鶴(マイツル)花橘の、樽の口を切りて」
[2] 京都府北部の地名。若狭湾西部の舞鶴湾に臨む。江戸時代、牧野氏三万五千石の城下町、西回り航路の寄港地として栄えた西舞鶴と、明治後期から旧海軍の軍都として栄えた東舞鶴とから成る。第二次世界大戦後は引揚港となり、阪神工業地帯の日本海側の玄関口をなす貿易港で、鉄鋼・機械・造船・水産加工など各種の工業が盛ん。昭和一三年(一九三八)西舞鶴地区が舞鶴市として市制。同年市制の東舞鶴市と同一八年に合併し、ほぼ現市域が確定。

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改訂新版 世界大百科事典 「舞鶴」の意味・わかりやすい解説

舞鶴[市] (まいづる)

京都府北部,若狭湾に面する市。1943年舞鶴市と東舞鶴市(ともに1938市制)が合体して成立。人口8万8669(2010)。北部中央に若狭湾西部の支湾舞鶴湾が湾入し,東・南・西の三方を山に囲まれる。市域西部を由良川が北流して宮津市境で若狭湾に注ぎ,北方海上には冠島(大島),沓(くつ)島(小島)が浮かぶ。舞鶴湾の湾奥は東西に分かれ,西湾奥に西舞鶴,東湾奥に東舞鶴の市街地がある。西舞鶴は古くは田辺とよばれ,16世紀末に細川藤孝が築城,のち京極氏,牧野氏に引き継がれ,田辺藩3万5000石の城下町として発展し,港町としても栄えた。1869年(明治2)田辺町は舞鶴町と改称,現在も町名や町割りに城下町のおもかげを残す。

 1901年東舞鶴の余部下(あまるべしも)を中心とする地に海軍の舞鶴鎮守府が開設され,一帯には軍関係の諸施設が集中し,急速に発展した。東舞鶴には,整然と直交する街路に富士通り,八島通り,敷島通りなど,明治期の軍艦名が付されている。第2次大戦後,舞鶴港はソ連や中国大陸からの引揚船の入港地となり,軍の施設や用地は造船,板ガラスなどの民間工場に転用され,一部は海上自衛隊に引き継がれた。舞鶴西港は日ロ貿易港で,輸入木材の加工業も行われる。市域東端,福井県境の青葉山のふもとには西国三十三所29番札所の松尾(まつのお)寺があり,寺蔵の絹本著色普賢延命像(平安後期)は国宝。若狭湾上の冠島,沓島はあわせて沖ノ島ともよばれる。無人島で,冠島はオオミズナギドリ繁殖地(天)であり,また古くから漁民の信仰を集めてきた老人島(おひとしま)神社が鎮座する。市域にはJR舞鶴線が綾部から西舞鶴へ通じて北近畿タンゴ鉄道宮津線,JR小浜線と接続する。国道27号線が通じ,舞鶴若狭自動車道のインターチェンジがある。
田辺
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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「舞鶴」の解説

まいつる【舞鶴】

新潟の日本酒。酒名は、冬の酒造期になると蔵の庭先に鶴が舞い降りていたことから命名。吟醸酒、純米酒、本醸造酒などがある。「しぼりたて生酒」は冬季限定の本醸造酒。原料米は一本〆。仕込み水は東山連峰・金倉山の伏流水。蔵元の「恩田酒造」は明治8年(1875)創業。所在地は長岡市六日市町。

出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の舞鶴の言及

【田辺】より

…港湾交通の要地。現在の京都府舞鶴市の西舞鶴地区にあたる。《和名抄》に加佐郡田辺郷がある。…

※「舞鶴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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