舎密(読み)セイミ

精選版 日本国語大辞典 「舎密」の意味・読み・例文・類語

セイミ【舎密】

〘名〙 (chemie) 化学旧称幕末から明治初期に用いられた。舎密学。
植学啓原(1833)引「西聖立三科之学、曰弁物也、曰究理也、曰舎密(セーミー)也、以綜錯万物
[語誌](1)宇田川榕庵舎密開宗」(一八三七‐四七)が出版される前は、「分析術」「分離術」とも訳されていた。
(2)「化学」という訳語は、中国から日本にもたらされ、幕末から明治初期にかけては「舎密」と「化学」が並行的に用いられていた。しかし、明治五年(一八七二)の学制発布・小学教則公布によって学課名に「化学」が採用されたことや、開成学校に化学科が設置され、それが、同一〇年東京大学成立時に、理学部化学科となったことなどによって、「化学」の名称が一般化した。

しゃ‐みつ【舎密】

セーミ【舎密】

しゃみ【舎密】

〘名〙 化学の旧称「セイミ」にあてた字を音読したもの。しゃみつ。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「舎密」の意味・読み・例文・類語

セイミ(〈オランダ〉chemie)

化学の日本における旧称。幕末から明治初期にかけて使われた語。セイミ学。
[補説]「舎密」とも書く。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の舎密の言及

【化学】より

…1811年につくられた蕃所和解御用(役所)はショメールNoel Chomelの《百科全書》(オランダ語版)を翻訳し《厚生新篇》と題した。この中に舎密(せいみ)すなわち化学に関する記述が散見する。化学の体系的な紹介は宇田川榕菴による《舎密開宗》(これはラボアジエの体系に基づく)の刊行(1837‐46)である。…

※「舎密」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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