舌の損傷(読み)したのそんしょう(英語表記)Tongue injury

六訂版 家庭医学大全科 「舌の損傷」の解説

舌の損傷
したのそんしょう
Tongue injury
(外傷)

どんな外傷か

 舌を事故あるいは意識的に損傷するもので切創(せっそう)咬創(こうそう)刺創(しそう)熱傷(ねっしょう)などがあります。

原因は何か

 スポーツ外傷や交通事故で自分の舌を誤って噛み切る場合、自傷行為として意識的に損傷する場合、幼児が(はし)や玩具で損傷する場合、熱い飲食物でやけどになる場合などがあります。

症状の現れ方

 ほとんどの場合、舌の先4分の1の損傷です。舌尖(ぜつせん)(舌の先)が完全に切断される場合や、舌背表面に多くは横方向の割創あるいは切創が生じます。

 舌は血管に富んでいるので容易に出血します。血が止まったあとには、はれ、粘膜下血腫(ねんまくかけっしゅ)(舌粘膜の下に出血した血液が塊を作る)が生じて痛みを訴えます。はれと痛みのため、構音障害(しゃべりにくさ)が生じます。

検査と診断

 出血の程度、状態と損傷の原因を把握します。舌以外の口腔内損傷の有無、誤飲の有無を調べます。異物混入のおそれがある場合はMRICTなどで検査をします。

治療の方法

 損傷部位を縫い合わせます。舌の先端が切れてなくなっている場合は断端形成(傷が露出しないように周辺組織で包み込む)をします(図23)。異物混入があれば摘出します。

応急処置はどうするか

 ガーゼなどで圧迫止血をし、医療施設へ搬送します。

小川 豊


出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android