致仕(読み)チシ

デジタル大辞泉 「致仕」の意味・読み・例文・類語

ち‐し【致仕/致事】

[名](スル)《「ちじ」とも》
官職を退くこと。また、退官して隠居すること。
《古く、中国で、70歳になると退官を許されたところから》70歳の異称。
[類語]志学破瓜弱冠而立不惑知命耳順華甲還暦古希喜寿傘寿半寿米寿卒寿白寿茶寿皇寿厄年

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版 「致仕」の意味・わかりやすい解説

ちし【致仕】

致事ともいい,官職を辞すること。これを〈骸骨を乞う〉ともいう。大宝選任令・養老選叙令によると,律令官僚は数え年70以上になると,致仕することがゆるされた。五位以上の貴族官僚は天皇に上表し,六位以下の下級官僚は太政官に申し牒(ちよう)して,太政官から奏聞(そうもん)する規定になっていた。具体的なケースをみると,764年(天平宝字8)正月,大宰大弐の吉備真備きびのまきび)は,数え年70に達して致仕を上表したのであるが,まだ奏上されないうちに,造東大寺司長官に遷任を命ぜられている。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

普及版 字通 「致仕」の読み・字形・画数・意味

【致仕】ちし

官職をやめる。〔公羊伝、宣元年〕古の人心(つ)かざれば、きて致仕す。

字通「致」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

ボソン

ボース統計に従う粒子。ボース粒子ともいう。スピンが整数の素粒子や複合粒子はボソンであり,光子,すべての中間子,および偶数個の核子からなる原子核などがその例である。またフォノンやプラズモンのような準粒子...

ボソンの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android