日本大百科全書(ニッポニカ) 「自由民主党(イギリス)」の意味・わかりやすい解説
自由民主党(イギリス)
じゆうみんしゅとう
Liberal Democrats
イギリスの政党。略称LD。1988年3月に自由党と社会民主党(Social Liberal Democrats、略称SDP)が合同して社会自由民主党(Social Liberal Democrats、略称SLD)が結成され、翌年自由民主党と改名された。社会民主党は、労働党を離脱した下院・上院議員によって、元労働党内閣蔵相(1967~1970)のジェンキンズを中心に保守党および労働党の二大政党制にかわる政党政治を目ざして1980年に結成された。自由党は、1859年に結成されたホイッグ党を前身とする政党であり、19世紀から20世紀初頭にかけて保守党との二大政党制を担った。しかし、1886年アイルランド自治法案に反対したチェンバレンらによる自由統一党の結成など、内部分裂や労働党の成立などの影響から、1922年の総選挙では第三党に転落し、以後多数党ではなくなった。1981年、社会民主党は政治的立場が近く党勢の衰えた自由党と連合を形成。1988年には社会自由民主党として両党は合同・合併した。地方議員数では労働党に次ぐ第二党であり、1997年の総選挙では保守党が大敗したため、46議席、得票率16.8%を獲得し、保守党に次ぐ野党として議会内での影響力を強めている。初代党首は自由党系のアシュダウンPaddy Ashdown(1941―2018)。1999年に社会民主党(SDP)系のケネディCharles Kennedy(1959―2015)が党首に就任した。
[犬童一男]
『R. Garner, R. KellyBritish Political Parties Today ; Politics Today(1998, Manchester University Press)』