自得(読み)ジトク

デジタル大辞泉 「自得」の意味・読み・例文・類語

じ‐とく【自得】

[名](スル)
自分の力で悟ること。自分自身で理解し、会得すること。「処世術自得する」
自分自身で満足し、安んじること。また、得意になって、うぬぼれること。「自得の色」
自分の身に報いを受けること。「自業自得
[類語]満足満悦充足飽満自足会心・充足感・充実感・自己満足本望満ち足りる心行く堪能たんのうする満喫する安住する・安んずる甘んずる十全嬉しい楽しい面白い喜ばしい喜び愉快痛快結構喜悦有頂天納得慊焉けんえん三平思わしい上機嫌ご機嫌おんの字足りる足る舞い上がる満たす気を良くする溜飲りゅういんを下げる言うことなし気に意に適ううきうきうはうはわくわくいそいそぞくぞく十分自慢誇るうぬぼれるおのぼれる思い上がる誇らしい胸を張る肩身が広い鼻が高い鼻高高勝ち誇る驕る威張る威張り散らす付け上がる高ぶる反り返る振り回す鼻にかける増長慢心自画自賛誇示おご誇り驕傲きょうごう矜持倨傲きょごう自負自負心自賛自嘆自任天狗うぬぼれプライド高慢自尊自尊心気位きぐらい得意思い上がり唯我独尊手前味噌我褒め身褒めのぼせるのぼせ上がる背負しょ

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精選版 日本国語大辞典 「自得」の意味・読み・例文・類語

じ‐とく【自得】

〘名〙
① 自分自身で会得すること。自分自身で理解すること。
※本朝麗藻(1010か)下・海不辞水〈大江以言〉「坎位当仁宜自得、坤霊与化好相歆」
※集義和書(1676頃)四「いそがず、をこたらず、才覚を用ひず、常になすべき事をして、自得を待にて候」 〔礼記‐中庸〕
② 自分自身で満足すること。
※本朝文粋(1060頃)一・遠久良養生方〈兼明親王〉「擯俗地。無何郷。心自得。寿無疆」
太平記(14C後)一「吾れ無為の境に優遊して、是非の外に自得(ジトク)す」 〔楚辞‐遠遊〕
③ 得意になってうぬぼれること。
将来之日本(1886)〈徳富蘇峰〉一〇「彼の第十九世紀の大勢力に敵対して揚々自得するの日耳曼、露西亜と雖も」 〔史記‐晏嬰伝〕
④ (「自業自得」の形で) みずから報いを受けること。

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普及版 字通 「自得」の読み・字形・画数・意味

【自得】じとく

心にさとる。納得する。〔孟子、離婁下〕君子は深く之れに(いた)るにを以てす。其の之れを自得せんことを欲するなり。

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