自得寺(読み)じとくじ

日本歴史地名大系 「自得寺」の解説

自得寺
じとくじ

[現在地名]富山市本郷中部

曹洞宗で、山号は常在山。本尊釈迦如来。龍恵を開基とする真言宗寺院として、応安三年(一三七〇)頃に創建されたといわれる。同七年龍恵は鎮守神である延命大士の霊夢に感じ、能登総持寺峨山韶碩の法嗣夢際純証に来住を懇請し、禅宗寺院となったという。過去帳の筆頭には「徳常院殿覆宗林慶大居士、暦応二年二月十九日」とあり、この人物はしも(現下村)の土豪館氏の祖とされるが、龍恵もその一族であろう。寛永一四年(一六三七)二月二七日に加賀藩主前田利常より境内地一千二〇〇歩の寄進を受けている(寺蔵文書)。また同年の江湖会には、藩命により婦負・射水両郡から人足五人ずつと豆腐屋一軒が当寺に当てられており(同文書)、藩の処遇は手厚いものがある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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