自己借地権(読み)じこしゃくちけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自己借地権」の意味・わかりやすい解説

自己借地権
じこしゃくちけん

土地所有者が自己の土地に自分自身を借地人として設定した借地権。この設定は混同原則により本来不可能とされている (民法 179条1項,520) 。しかし,土地所有者が借地権付きでマンション分譲をしようとする場合にはみずから借地権者とはなることができないから,従来は関連会社などを借地権者 (いわゆるわら人形) として,この借地権者が建築,分譲を行なっていた。 1991年制定の借地借家法はこのような不便を解消するために,土地所有者が他の者と借地権を準共有する場合に限り,自己借地権の設定を認めることにした (15条) 。すなわち,マンションの最初買主が現れたときに,その買主と自己とを借地権者とする借地権を設定することができる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android