自在(読み)じざい

精選版 日本国語大辞典 「自在」の意味・読み・例文・類語

じ‐ざい【自在】

[1] 〘名〙
① (形動) 思いのままであること。束縛や障害のないこと。また、そのさま。心のまま。仏菩薩にそなわる功徳であるところから、仏を自在人(じざいにん)という。
※観智院本三宝絵(984)下「諸(もろもろ)ともがらしたがひ敬(うやまひ)て心に自在をえたり」
太平記(14C後)四「兵(つはもの)手凍(こご)って弓を控(ひ)くに叶はず、馬は雪に泥(なづ)んで懸引も自在ならず」 〔列子‐周礼王〕
② 「じざいかぎ(自在鉤)①」の略。
※宗長手記(1522‐27)上「自在といふかぎのなはに頭を入て」
※俳諧・古今発句手鑑(江戸後)「きりぎりす自在をのぼる夜寒哉〈蕪村〉」
[2] 「じざいてん(自在天)」の略。〔法華経‐法師功徳品〕

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デジタル大辞泉 「自在」の意味・読み・例文・類語

じ‐ざい【自在】

[名・形動]
意のままであること。自分の思うとおりにできること。また、そのさま。「道具を操る自在な手つき」「変幻自在
自在かぎ」の略。
自在天」の略。
[派生]じざいさ[名]
[類語]自由随意任意ランダム無作為恣意存分ぞんぶん不羈ふき勝手気まま心任せわがまま好き自分勝手手前勝手身勝手得手勝手好き勝手気随気任せほしいまま奔放自由自在縦横縦横無尽意のまま思いのまま思い通りフリーフリーダムリバティー

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普及版 字通 「自在」の読み・字形・画数・意味

【自在】じざい

思うままにする。〔列子、周穆王〕老子歸りて、尹先生の言を用ひ、深思すること三に能く存自在にして、四時(はんかう)し、~、雷をし、夏、冰をる。~身其のはさず。

字通「自」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自在」の意味・わかりやすい解説

自在
じざい

仏教用語。心が煩悩の束縛から解放されて自由となり,何事でも思うがままになしうる能力をいう。仏,菩薩にはこの力がそなわっているとされる。

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