臨川(読み)りんせん

精選版 日本国語大辞典 「臨川」の意味・読み・例文・類語

りんせん【臨川】

中国隋代、現在の江西省北部、鄱陽(はよう)湖の南方に置かれた県名三国時代の臨川郡、隋以来の撫州中心地。宋の王安石出身地

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デジタル大辞泉 「臨川」の意味・読み・例文・類語

りんせん【臨川】

中国、江西省中部の県。撫河ぶが中流域に位置する。宋の王安石生地

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「臨川」の意味・わかりやすい解説

臨川
りんせん / リンチョワン

中国、江西(こうせい)省中部にある撫州(ぶしゅう)地級市に属する市轄区。撫河(ぶが)中流域の東岸に位置する。人口111万2000(2016)。後漢(ごかん)の時代には、臨汝(りんじょ)県とよばれたが、隋(ずい)代臨川県となり、歴代撫州路、撫州府の治所であった。臨川県は、1955年撫州市を分離したが、1987年にはふたたび撫州市と合併して、臨川市となる。臨川市は2000年撫州地区と合併して撫州地級市となり、臨川はその市轄区となった。

 区域は南北に細長い平野からなり、灌漑(かんがい)施設が整備され、二期作水稲、ナタネアブラナ)のほか、ワタ、大豆も産する。また、養豚が盛んであり、スイカ、ミカンなどの果物の産地としても有名である。伝統工業では磁器を産し、機電産業、金属加工、食品加工などの工場もある。昔から多くの優秀な人材を輩出しているが、とくに宋(そう)代の改革派政治家であった王安石(おうあんせき)の故郷として有名である。区内を滬昆(ここん)線(上海(シャンハイ)―昆明(こんめい))の支線が通る。

[河野通博・編集部 2017年2月16日]

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改訂新版 世界大百科事典 「臨川」の意味・わかりやすい解説

臨川 (りんせん)
Lín chuān

中国,江西省の旧郡県名。江西の中東部,贛江(かんこう)の支流汝水(じよすい)(撫河(ぶが))に沿う撫州市がその治所。古来,江西と浙江福建を結ぶ要衝に当たる。後漢時代,臨汝郡が設置され,三国呉の257年(太平2)臨川郡となる。東晋の王羲之が臨川と呼ばれるのは彼がこの郡の内史だったためである。隋・唐以後,臨川郡は撫州に改められ,州治の附郭県が臨川とかわる。北宋王安石の本籍地として名高く,また明代の劇作家湯顕祖(とうけんそ)も臨川の名を連想させる。
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