膾炙(読み)カイシャ

デジタル大辞泉 「膾炙」の意味・読み・例文・類語

かい‐しゃ〔クワイ‐〕【××炙】

[名](スル)《「膾」はなます、「炙」はあぶり肉の意で、いずれも味がよく、多くの人の口に喜ばれるところから》世の人々の評判になって知れ渡ること。「人口膾炙する」

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精選版 日本国語大辞典 「膾炙」の意味・読み・例文・類語

かい‐しゃ クヮイ‥【膾炙】

〘名〙
① (「膾」はなます、「炙」はあぶりものの意) なますと、小さく切って焼いた肉。〔和英語林集成初版)(1867)〕〔礼記‐曲礼上〕
② (━する) (なますやあぶりものは、人がいつまでも賞味するところから) 物事が多くの人びとに言いはやされて、広く知れわたること。多く「人口に膾炙する」の形で用いられる。
※鈍鉄集(1331頃)早梅軸「是老逋早梅詩也。調高韻嶮。膾炙詩人口矣」
※近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉二「此喜遊の伝は其頃巷陌(ちまた)に鱠炙(クヮイシャ)して今尚口碑に残りたり」 〔林嵩‐周朴詩集序〕

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普及版 字通 「膾炙」の読み・字形・画数・意味

【膾炙】かい(くわい)しや・かい(くわい)せき

なますとあぶり肉。美味。よく人に知られる。〔容斎随筆十五昌宮詞・長恨歌は皆人口に膾炙し、之れを讀むをして、搖せしむ。

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