膏血(読み)こうけつ

精選版 日本国語大辞典 「膏血」の意味・読み・例文・類語

こう‐けつ カウ‥【膏血】

〘名〙
① 人のあぶらと血。
御伽草子二十四孝(室町末)「夏夜無帷帳蚊多不敢揮(かれが)膏血飽使親闈」 〔新唐書‐陸贄伝〕
② 比喩的に、人の努力や苦労。また、その結果得られたもの。
仮名草子智恵鑑(1660)二「みなこれ民の膏血(カウケツ)をもてあそび物とし給ふ成べし」 〔宋史‐王禹偁伝〕

あぶら‐ち【膏血】

〘名〙 あぶらと血。転じて、人が努力の結果得た利益
※守護国界主陀羅尼経巻八平安初期点(900頃)「百姓の膏血(アフラチ)は、甚だ得やすしと為す」

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デジタル大辞泉 「膏血」の意味・読み・例文・類語

こう‐けつ〔カウ‐〕【×膏血】

《「宋史」王禹偁伝から》人の脂と血。苦心して得た収益のたとえ。
生活に揉まれ、人々の―にまみれ」〈小林秀雄・無常といふ事〉

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普及版 字通 「膏血」の読み・字形・画数・意味

【膏血】こう(かう)けつ

心血をそそいでえたもの。財。宋・胡銓高宗に上(たてまつ)る封事〕民の膏血を竭(つく)して恤(うれ)へず、國の大讐れて報いず、垢を含み恥をび、天下を擧げて之れに臣(つか)へて甘心す。

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