腺熱リケッチア症(読み)せんねつリケッチアしょう(英語表記)Rickettsiosis of Glandular Fever

精選版 日本国語大辞典 「腺熱リケッチア症」の意味・読み・例文・類語

せんねつ‐リケッチアしょう【腺熱リケッチア症】

〘名〙 (リケッチアはRickettsiosis) 腺熱リケッチアによる感染症全身リンパ節腫脹発熱、咽頭発赤を認める。発生九州高知県広島県に分布し、風土病的である。日向熱もその一つ宮崎県で見られる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「腺熱リケッチア症」の意味・読み・例文・類語

せんねつリケッチア‐しょう〔‐シヤウ〕【腺熱リケッチア症】

リケッチア感染によって、リンパ節れ、発熱、咽頭いんとうや結膜の炎症発疹ほっしんなどの症状を呈する感染症。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

家庭医学館 「腺熱リケッチア症」の解説

せんねつりけっちあしょう【腺熱リケッチア症 Rickettsiosis of Glandular Fever】

[どんな病気か]
 全身のリンパ節(せつ)の腫(は)れ、発熱のほか、血液検査で異型(いけい)リンパ球(単核球(たんかくきゅう))の増加がみられる感染症です。
 この病態を示す病気のうち、リケッチアの感染によっておこるものを腺熱リケッチア症といい、EBウイルスの感染によっておこるものは伝染性単核症(「伝染性単核症」)といいます。
 腺熱リケッチアの感染経路や媒介ばいかい)する動物はまだ不明です。
[症状]
 潜伏期間は10日前後です。初め、全身倦怠(ぜんしんけんたい)、咽頭痛(いんとうつう)、頸部(けいぶ)リンパ節の腫れなどが3~6日続きます。夕方、寒けとともに熱が上昇し、夜半から明け方にかけて発汗とともに下がります。
 第2病週になると、全身のリンパ節が腫れて大きくなり、咽頭炎、結膜炎(けつまくえん)、まぶたのむくみ、皮膚に「はしか」のような発疹(ほっしん)などのみられることが多いものです。
 これらの症状は、2週間前後続いて消えますが、リンパ節の腫れはしばらく残ります。
 症状と血液の顕微鏡検査、ワイルフェリックス反応の成績などから診断します。
[治療]
 テトラサイクリンやクロラムフェニコールが特効薬で、つつがむし病(「つつがむし病」)と同じように治療します。

出典 小学館家庭医学館について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android