腹部コンパートメント症候群

六訂版 家庭医学大全科 の解説

腹部コンパートメント症候群
(外傷)

 ダメージコントロール(腹部外傷の緊急手術に際して、確実な止血処置を行う時間的余裕がない場合や止血処置が難しい場合の治療法)では、腹腔内出血の一時的止血を行ったあと、ICUで患者さんの集中治療を行います。

 この際、術後腸管がむくみ、止血が不十分で血液がおなかのなかに大量にたまってくると腹腔内圧が上昇します。そうなると、乏尿(ぼうにょう)と低酸素血症を主症状とする腹腔内の内臓の血流障害や心肺機能の障害を来します。これを腹部コンパートメント症候群と呼びます。あまりにも腹腔内圧が上がった時は再開腹を行わざるをえません。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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