腹立(読み)はらだたしい

精選版 日本国語大辞典 「腹立」の意味・読み・例文・類語

はらだたし・い【腹立】

〘形口〙 はらだたし 〘形シク〙 (動詞「はらだつ(腹立)」の形容詞化。「はらたたしい」とも) そばで見ていて腹が立つような物事のさまである。癪(しゃく)である。
※竹取(9C末‐10C初)「この子を見れば、苦しき事もやみぬ、はらたたしき事も慰みけり」
はらだたし‐げ
〘形動〙
はらだたし‐さ
〘名〙

はら‐だ・つ【腹立】

[1] 〘自タ五(四)〙 (「はらたつ」とも)
① 怒りのために腹の中が燃えるようになる。怒る。いきどおる。立腹する。
※竹取(9C末‐10C初)「中納言あしくさぐればなき也とはらたちて」
② 責めたてる。また、いさかう。喧嘩をする。
源氏(1001‐14頃)若紫何事ぞや、わらはべとはらたち給へるか」
[2] 〘自タ下二〙 ⇒はらたてる(腹立)

はら‐だち【腹立】

〘名〙 (「はらたち」とも) 腹を立てること。怒ること。癇癪(かんしゃく)をおこすこと。立腹。
※妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)七「貪欲、瞋恚(シンイ)(〈注〉ハラタチ)、愚癡、嫉妬、慳慢、おほきことなしや、いなや」
西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉一一「もってのほかはらたちのやうすに」
[補注]「日葡辞書」には清濁両様の見出しがみられる。

ふく‐りゅう ‥リフ【腹立】

〘名〙 (「りゅう」は「立」の正音) 腹をたてること。怒ること。立腹。
明衡往来(11C中か)下本「莫腰折之詠。定有腹立之輩歟」

はら‐た・てる【腹立】

〘自タ下一〙 はらた・つ 〘自タ下二〙 =はらだつ(腹立)(一)
※源氏(1001‐14頃)浮舟あなかま、をさなき人なはらたてそとのたまふ」

はらだたし【腹立】

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「腹立」の意味・読み・例文・類語

ふく‐りゅう〔‐リフ〕【腹立】

腹を立てること。立腹。
「すべていささかも―せずと云ふを」〈沙石集・八〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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