腹直筋(読み)ふくちょくきん(英語表記)rectus

翻訳|rectus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「腹直筋」の意味・わかりやすい解説

腹直筋
ふくちょくきん
rectus

前胸壁と恥骨との間で腹部の中央にある平たく長い筋肉をいう。肋間神経支配を受けて,肋間筋と協力して呼吸運動を助け,身体を前方へ曲げる働きをする。この筋肉の左右両側からの筋膜線維が正中線で合し,白線と呼ばれる部位をつくる。白線には血管がほとんどないので,非常に出血の少い開腹場所として,腹部手術の際に利用されている。妊娠を繰返した人,肥満者,腹水や巨大な腹腔内腫瘤などでは白線は伸展して薄くなり,腹圧をかけると腹膜が膨隆し脱出する。これを腹直筋離開といい,広い意味の腹壁ヘルニアといえる。腹直筋離開に対しては,一般に外科手術が必要である。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「腹直筋」の意味・わかりやすい解説

腹直筋
ふくちょくきん

腹筋

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世界大百科事典(旧版)内の腹直筋の言及

【筋肉】より

…なお正式ラテン名musculus trapeziusの直訳は,〈四角形の筋〉ということである。
【胸腹部の筋肉】
(図10)
[大胸筋]
 胸部の表層を占める扇形の大きな筋肉で,起始は体の正中線に近く,鎖骨の内側半,胸骨とこれに接する上位肋軟骨,腹直筋鞘より起こり,外方に向けて三角形に集束して,上腕骨の大結節稜に停止する。上肢を内転する(内側に引く)作用があり,上肢を固定すれば,肋骨を挙上して呼吸を助ける(深呼吸のとき)。…

※「腹直筋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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