(読み)はれる

精選版 日本国語大辞典 「腫」の意味・読み・例文・類語

は・れる【腫】

〘自ラ下一〙 は・る 〘自ラ下二〙
炎症などで、皮膚がふくれあがる。
万葉(8C後)一六・三八五六「波羅門の作れる小田をはむ烏瞼(まなぶた)(はれ)て幡幢(はたほこ)に居り」
※日本読本(1887)〈新保磐次〉六「不意に毛虫に触れ、〈略〉その毒を受けて手の指腫れ痛むべし」
② (「口がはれる」「手がはれる」などの形で) 神仏の罰があたる意に用いる。
※浪花聞書(1819頃)「はれます 江戸で云罸が中りますなど云ところへかくいふ也」

はれ【腫】

〘名〙 (動詞「はれる(腫)」の連用形名詞化)
① 打ったり、膿(う)んだりして皮膚の一部がふくれあがること。
浮世草子傾城禁短気(1711)三「面躰手足に塗れば、忽腫(ハレ)引て」
水腫浮腫などのこと。むくみ。
※薔薇くひ姫(1976)〈森茉莉〉「目の上の浮腫(ハレ)もなくなって、顔がおどろく程、さっぱりして」

しゅ【腫】

〘名〙 はれものやできもの。また、体のむくみ。
咄本・無事志有意(1798)妙薬「これはきのふよりわるい。腫(シュ)が見へる」

はら・す【腫】

〘他サ五(四)〙 腫れるようにする。腫れさせる。
坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉四「瞼(まぶた)をはらして居る」

は・る【腫】

〘自ラ下二〙 ⇒はれる(腫)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「腫」の意味・読み・例文・類語

しゅ【腫】[漢字項目]

常用漢字] [音]シュ(呉) [訓]はれる はらす
体の組織の一部がはれる。はれもの。むくみ。「腫脹しゅちよう腫物しゅもつ腫瘍しゅよう癌腫がんしゅ筋腫水腫肉腫浮腫

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