脳(末梢)血管拡張剤・脳(末梢)循環代謝改善剤(読み)ノウマッショウケッカンカクチョウザイノウマッショウジュンカンタイシャカイゼンザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 の解説

脳(末梢)血管拡張剤・脳(末梢)循環代謝改善剤

脳(末梢血管拡張剤・脳

(末梢)循環代謝改善剤とは


 末端(末梢)の細い動脈が収縮したり、血栓けっせん(血液のかたまり)が生じたり、血圧が上昇すると、血液の流れが悪くなり、その血管を流れてくる血液から酸素と栄養素を供給されている組織は、酸素不足、栄養不足におちいります。


 血管の内腔ないくうを広げ、血流をよくして、このような障害を改善する薬が血管拡張剤です。


 冠血管拡張剤〔狭心症治療剤〕も血管拡張剤のひとつで、降圧剤〔高血圧治療剤〕のなかにも、血管拡張作用をもつものがあります。


 血管拡張剤のなかには、血液の粘りけを減らし、赤血球の通りをよくして、血液を流れやすくさせるものもあります。また、血栓の原因となる血小板凝固を阻止する作用をもつものもあります。


 これらの作用により、血流障害によっておこる頭痛めまいなどの症状が軽快します。


 ここでは、脳卒中後遺症などでおこった脳の血流障害を治療する脳血管拡張剤や、手足の血流障害でおこったレイノー病、バージャー病(特発性壊疽とくはつせいえそ)、凍瘡とうそうしもやけ)、凍傷などの治療に用いる血管拡張剤を中心に解説します。


 また脳血管拡張剤には脳循環代謝改善剤が併用されることが多いので、この薬についてもここで解説します。


 脳循環代謝改善剤は、脳が活動するために必要な脳活性物質の、脳内へのとり込みをよくする薬です。脳の障害でおこった頭痛、肩こり、しびれなどの症状を改善するはたらきがあります。


イソクスプリン塩酸塩製剤


ニコチン酸誘導体製剤


トコフェロールニコチン酸エステル系製剤


カリジノゲナーゼ製剤


メクロフェノキサート塩酸塩系製剤


ガンマ‐アミノ酪酸製剤


イフェンプロジル酒石酸塩製剤


アデノシン三リン酸ニナトリウム水和物製剤(ATP製剤)


その他の脳循環代謝改善剤


リマプロストαシクロデキストリン化合物


アルツハイマー型認知症治療剤


メマンチン塩酸塩製剤

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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