脱線係数(読み)だっせんけいすう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「脱線係数」の意味・わかりやすい解説

脱線係数
だっせんけいすう

鉄道車両の走行中の横圧(車輪レールに及ぼす横方向の力)とその輪重(車輪がレールに及ぼす垂直方向の力)の比をいう。脱線に対する安全性の指標として用いられる。横圧をQ、輪重をPで表し、脱線係数はQ/Pという記号で表現することが多い。横圧のQが大きくなるか、あるいは輪重のPが小さくなる(輪重抜けとよぶ)と、Q/Pは大きくなる。走行安全性の面からこの値は0.8以下であることが望ましい。

 しかし、きわめて短時間であればQ/Pが0.8を超えても脱線の確率は小さい。そこで0.05秒以下の短時間の現象に対しては、時間に逆比例した大きな値が許容されている。

[福田信毅]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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