脱屣(読み)だっし

精選版 日本国語大辞典 「脱屣」の意味・読み・例文・類語

だっ‐し【脱屣】

〘名〙
① はきものを脱ぎ捨てるように、愛着の念なく物を捨てさること。
万葉(8C後)五・八〇〇「知父母於侍養妻子於脱屣」 〔漢書‐郊祀志上〕
② (「孟子‐尽心上」の「舜視天下、猶敝屣也」による) 天子執着の念なく、帝位を退くこと。位を惜しげもなく捨てること。
※続日本紀‐霊亀元年(715)九月庚辰「釈累遺塵。将脱屣此神器。欲皇太子。而年歯幼稚。未深宮
山槐記‐治承四年(1180)三月四日「上皇御脱屣之後始被七瀬御祓

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「脱屣」の意味・読み・例文・類語

だっ‐し【脱×屣】

履物をぬぎ捨てること。転じて、未練なく物を捨て去ること。
《「孟子」尽心上から》帝王が執着なく位を去ること。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android