脚布(読み)きゃふ

精選版 日本国語大辞典 「脚布」の意味・読み・例文・類語

きゃ‐ふ【脚布】

〘名〙
① 腰に巻く布。きゃっぷ。
庭訓往来(1394‐1428頃)「手巾布衫鉢盂巾。脚布。筋匙」
② とくに、女性腰巻。ゆもじ。ゆぐ。したおび。きゃっぷ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
浮世草子好色一代男(1682)二「掉竹(さほたけ)わたし、とびざやの(キャフ)、糠ぶくろ懸て有しはくせものなり」

きゃっ‐ぷ キャク‥【脚布】

〘名〙
① =きゃふ(脚布)①〔伊京集(室町)〕
浄瑠璃・公平つるぎのりっくゎ(1661‐72頃)三「竹王が出たちには、あさぎの衣を著て、しろききゃっふを腰にまき」
② =きゃふ(脚布)②〔文明本節用集(室町中)〕
評判記難波鉦(1680)四「われらにあやるたびに、一どもきゃっふをといてはなしやったことがない」

きゃく‐ふ【脚布】

〘名〙
貴人や僧が入浴するときに、身につけた衣。湯巻(ゆまき)湯文字。〔尺素往来(1439‐64)〕〔勅修百丈清規‐六〕
② 腰巻。湯文字。
※浮世草子・風流曲三味線(1706)四「粧ふてゐる衣裳を剥で丸裸にして、脚布(キャクフ)迄とって」

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デジタル大辞泉 「脚布」の意味・読み・例文・類語

きゃ‐ふ【脚布】

婦人の腰巻き。
「おのれが姉は―せずに味噌買ひに行く」〈浮・胸算用・四〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「脚布」の読み・字形・画数・意味

【脚布】きやくふ

ゆもじ。

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