脚力(読み)キャクリキ

デジタル大辞泉 「脚力」の意味・読み・例文・類語

きゃく‐りき【脚力】

きゃくりょく1
かくりき(脚力)」に同じ。
「宇佐大宮司公通が―とて六波羅に着く」〈盛衰記・二六〉

かく‐りき【脚力】

飛脚のこと。きゃくりき。きゃくりょく。
「西の国より―にて上りける男ありけり」〈今昔・二七・三六〉

きゃく‐りょく【脚力】

歩いたり走ったりする足の力。きゃくりき。
かくりき(脚力)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「脚力」の意味・読み・例文・類語

きゃく‐りょく【脚力】

〘名〙
① 足のちから。歩行に堪えうる足のちから。歩行力。きゃくりき。
※翰林葫蘆集(1518頃)四・馬耳山「有馬皆山借欲騎、行人脚力已疲時」
※土(1910)〈長塚節〉二一「彼は脚力の及ぶ限り帰途を急いだ」 〔蘇軾‐登玲瓏山詩〕
遠方急用音信を伝えたり、荷物運送などに従事する使いの者。飛脚。かくりき。きゃくりき。〔酉陽雑俎‐恠術〕

かく‐りき【脚力】

〘名〙 古代駅制で、急用大事のときに利用する飛駅とならんで用いられた通信方法の一つで、馬を使う必要のない一般の用件使者をいう。平安中期以後、駅家の機能が失われてから主要な通信手段となった。鎌倉以後に活躍した飛脚の前身。きゃくりき。きゃくりょく。
令義解(718)軍防「前烽不応者。即差脚力。往告前烽
色葉字類抄(1177‐81)「脚力 カクリキ」

きゃく‐りき【脚力】

〘名〙
源平盛衰記(14C前)二六「宇佐大郡司公通が脚力(キャクリキ)とて」

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普及版 字通 「脚力」の読み・字形・画数・意味

【脚力】きやくりよく

飛脚。また、歩行力。宋・軾〔玲山に登る〕詩 脚力盡くる時、山に好し 限りるを將(もっ)て、窮まり無きを趁(お)ふこと(なか)れ

字通「脚」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の脚力の言及

【飛脚】より

…【藤村 潤一郎】
[古代,中世]
 飛脚の語は,だいたい平安時代の末ごろから現れ,中世以降頻出する。初めは鳥を用いない通信使すなわち脚力と同義に用いられることが多いが,一般には乗馬の急使を指すようである。室町時代の《下学集》には飛脚すなわち急脚とある。…

※「脚力」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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