脊髄障害

内科学 第10版「脊髄障害」の解説

脊髄障害(悪性腫瘍に伴う神経系障害)

(3)脊髄障害(paraneoplastic myelopathy)
 脊髄病変のみを生じるPNSはまれであり,脳脊髄炎型:paraneoplastic encephalomyelitis(PEM)の一症候として生じ,脳症状とともに高度筋萎縮を伴う下位運動ニューロン症候,感覚・自律神経症候など,さまざまな組み合わせを呈する.腫瘍および抗体の種類は多様であるが,肺小細胞癌に伴い,抗Hu抗体が検出される場合が最も多い.
 脊髄のGABA作動性抑制ニューロンの障害が考えられるスティッフマン(stiff-man(person))症候群(全身硬直症候群)は,体幹・四肢近位筋の間欠的硬直と疼痛を生じ,随意運動が障害される.突然の動作・騒音・情動変化などで誘発・増強し,ジアゼパムが著効する.肺小細胞癌や乳癌・胸腺腫などに伴う.乳癌に伴う例で抗amphiphysin抗体を認めることがある.1型糖尿病を伴う自己免疫病の場合はグルタミン酸脱炭酸酵素 (GAD)に対する抗体が検出される.傍腫瘍性の場合は,腫瘍の治療とIVIg療法の組み合わせが有効である.[田中惠子]
■文献
Dalmau J, Gleichman AJ, et al: Anti-NMDA-receptor encephalitis: case series and analysis of the effects of antibodies. Lancet Neurol, 7: 1091-1098, 2008.
Honnorat J, Antoine JC: Paraneoplastic neurological syndromes. Orphanet J Rare Dis, 2: 22-31, 2007.
Irani SR, Alexander S, et al: Antibodies to Kv1 potassium channel-complex proteins leucine-rich, glioma inactivated 1 protein and contactin-associated protein-2 in limbic encephalitis, Morvan’s syndrome and acquired neuromyotonia. Brain, 133: 2734-2748, 2010.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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