脊椎分離症(読み)せきついぶんりしょう(英語表記)spondylolysis

精選版 日本国語大辞典 「脊椎分離症」の意味・読み・例文・類語

せきついぶんり‐しょう ‥シャウ【脊椎分離症】

〘名〙 脊椎が上関節突起と下関節突起との間で分離し、前部後部に分かれた状態腰痛原因となるほか脊椎すべり症を起こすことがある。

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デジタル大辞泉 「脊椎分離症」の意味・読み・例文・類語

せきついぶんり‐しょう〔‐シヤウ〕【脊椎分離症】

脊椎が、脊椎骨の関節を構成している上関節突起と下関節突起との間で分離し、前部と後部に分かれている状態。腰痛の原因となり、脊椎すべり症を起こすことが多い。

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改訂新版 世界大百科事典 「脊椎分離症」の意味・わかりやすい解説

脊椎分離症 (せきついぶんりしょう)
spondylolysis

椎骨は前半分の椎体と後半分の椎弓とに分けられるが,椎弓の一部(上関節突起と下関節突起との間)で骨性連絡が欠如している状態を椎弓の分離と呼び,これに基づく症状があれば脊椎分離症という。原因としては先天性素因と後天性の疲労骨折説があり,家族内多発例や人種差など前者に関連した事実もあるが,青少年期の激しいスポーツにより多発するなど後天説を裏づける証拠も多く,より有力である。大多数は第5腰椎にみられ,日本の成人の約5%に発生する。

 椎弓分離のみでは通常無症状で,疼痛の原因はほかにあることが多いが,ときに分離部の椎弓の異常動揺性によると思われる,腰痛や下肢痛が生ずる。症状の原因が椎弓分離によるときには,生活上の注意やコルセットなどの外固定により局所の負担を軽減し,適宜薬物療法を用いる。とくに青少年期に発生した場合には,スポーツを一時中止させ,外固定を行うことにより骨癒合が得られることがあるので,慎重な治療が望ましい。
腰痛症
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「脊椎分離症」の意味・わかりやすい解説

脊椎分離症
せきついぶんりしょう
spondylolysis

脊椎が上下関節突起の間の狭い部分で骨性連絡を欠き,椎体,横突起,上関節突起から成る前部と,下関節突起,棘突起から成る後部とに分離した状態をいう。日本人には5~7%あると報告されている。分離部の可動性が大きい場合は,腰仙痛の原因となる。分離部の離開が大きくなって,上位椎体が下位に対して前方にずれた状態になり,脊椎すべり症へと進行するものもある。

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