能動素子(読み)ノウドウソシ

デジタル大辞泉 「能動素子」の意味・読み・例文・類語

のうどう‐そし【能動素子】

電子回路において、供給された電力もとに電気信号などを増幅・制御する素子総称。ふつう、トランジスターダイオード真空管などを指す。→受動素子

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百科事典マイペディア 「能動素子」の意味・わかりやすい解説

能動素子【のうどうそし】

受動素子の対。電気回路において,電源増幅器のような電力の供給源を含む回路素子電池真空管トランジスタートンネルダイオードなど。
→関連項目IC電気回路

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改訂新版 世界大百科事典 「能動素子」の意味・わかりやすい解説

能動素子 (のうどうそし)
active element

トランジスターや三極真空管などのように電力利得を有する回路要素をいう。能動素子を用いれば電力増幅回路,発振回路をつくることができる。したがって能動素子を用いることにより回路の固有振動周波数を複素周波数平面上で右半面に存在させることができる。能動素子にはトンネルダイオードのように2端子負性抵抗を示すものと,トランジスターや多極真空管のように3端子ないしはそれ以上の端子を有するものとがある。2端子間の電圧・電流特性や入・出力端子間の伝達特性非線形で,電圧,電流が大きくなると電力利得が減少し,定常振幅での発振が得られる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「能動素子」の意味・わかりやすい解説

能動素子
のうどうそし
active element

電気信号などのエネルギー源として働く回路素子で,その代表的なものは真空管とトランジスタである。真空管またはトランジスタの動作の本質は次のように言い表わすことができる。すなわち,それらの素子に適当な直流電圧を加えておき,素子のいずれかの電極に電気信号 (交流) を加えると,それによって素子に流れる直流電流が制御され,他の電極から増幅された交流信号が取出される。もし交流電気信号のみの立場から素子をみるならば,小さな入力信号の刺激によってエネルギー的に増大された出力信号が得られるのであるから,その素子はエネルギーを放出しているといえる。その意味で能動素子と呼ばれる。広い立場からみれば,素子がエネルギーを発生しているのではなく,直流エネルギーを交流エネルギーに変換しているのである。増幅作用があれば,帰還回路を用いて発振器をつくることができる。抵抗器,コンデンサコイルなどは,それらだけを組合せても,増幅・発振作用をしないので受動素子と呼ぶ。

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世界大百科事典(旧版)内の能動素子の言及

【集積回路】より

…素子というのは,機能として分離できない最小単位というような意味である。トランジスターのように電力増幅や発振の能力のある素子を能動素子,ダイオードや抵抗,キャパシター等を受動素子という。トランジスターには,バイポーラー形とMOS形があり,ICにもこの2種の系統がある。…

※「能動素子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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