胆管(読み)たんかん(英語表記)bile duct
ductus biliferi[ラテン]

精選版 日本国語大辞典 「胆管」の意味・読み・例文・類語

たん‐かん ‥クヮン【胆管】

〘名〙 肝臓から十二指腸胆汁を運ぶ管。輸胆管。〔解体新書(1774)〕

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デジタル大辞泉 「胆管」の意味・読み・例文・類語

たん‐かん〔‐クワン〕【胆管】

肝臓でつくられた胆汁十二指腸へ運ぶ通路肝管胆嚢たんのうから来る胆嚢管、それらが合流した総胆管からなる。輸胆管。

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改訂新版 世界大百科事典 「胆管」の意味・わかりやすい解説

胆管 (たんかん)
bile duct
ductus biliferi[ラテン]

肝臓と十二指腸の間にある胆汁の排出路で,輸胆管ともいう。このなかで,肝臓の中にある部分を肝内胆管,肝臓を出てからの部分を肝外胆管と称し,左と右からのもの(それぞれ左肝管,右肝管という)がいっしょになってから,胆囊に連なる胆囊管に合流するまでを総肝管,それ以下十二指腸の出口まで,あるいは膵管と合流するまでを総胆管と呼んでいる。また胆管と胆囊を合わせて胆道という。胆管が十二指腸乳頭で十二指腸に開口する場合,膵管といっしょになってから開く場合と,別々に開口している場合があるが,前者の頻度が高い。この開き方の違いによって,胆道の病気と膵臓の病気が相互に影響し合っておこる割合に差が生ずる。一般に総胆管は,その下部で膵臓の頭部の中を走っている。膵管と総胆管との合流点が十二指腸への開口部より遠いところにあって,共通部分が長い場合には,先天性総胆管拡張症を合併する頻度が高く,また胆道癌を合併することも多い。膵炎もおこりやすい。

 胆管の病気の代表的なものは胆管結石であり,次いで胆管癌胆管炎などが問題となる。胆管で初めからつくられる胆石はビリルビンカルシウム石であり,コレステロール石が存在する場合は,胆囊でつくられたものが胆囊管を通って排出されて生じたものである。胆管に存在する石は,痛み,発熱黄疸などの症状をおこすことが多い。肝内胆管に存在する肝内結石は,肝内胆管の狭窄などに伴って発生することが多く,治療がたいへん困難である。胆管炎の際,胆汁の流れが障害されると,重篤な急性閉塞性化膿性胆管炎になりやすい。原発性硬化性胆管炎は原因不明な疾患で,診断,治療ともに難しい。
膵臓 →胆囊
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「胆管」の意味・わかりやすい解説

胆管
たんかん
bile duct

胆汁の輸液管組織の一部。肝小葉の中で網状となっている毛細胆管は,肝小葉を出ると小葉間胆管となり,2本の肝管にまとまって肝門から肝臓の外に出る。これが1本の総肝管となり,さらに胆嚢に続く胆嚢管と合流して総胆管となって,十二指腸乳頭に開いている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「胆管」の意味・わかりやすい解説

胆管
たんかん

輸胆管

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栄養・生化学辞典 「胆管」の解説

胆管

 肝臓で合成された胆汁を十二指腸へ運ぶ管.

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