胃液欠乏症(読み)いえきけつぼうしょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「胃液欠乏症」の意味・わかりやすい解説

胃液欠乏症
いえきけつぼうしょう

胃液分泌低下により、タンパク質を消化する胃液の働きが障害されている状態をいう。胃液の消化力は、ペプシンを中心とするタンパク分解酵素群と塩酸の共同作用によるが、両者とも分泌されないのが特徴である。酸だけの分泌がみられない状態は無酸症であるが、その場合にはタンパク分解酵素の分泌が保たれていることもあり、塩酸を必要としない酵素のタンパク消化力は弱いながらも認められる。胃液欠乏症をきたす疾患には、悪性貧血、高度萎縮(いしゅく)性胃炎、進行胃癌(がん)などがあり、胃粘膜の高度な萎縮性変化を広範に伴う場合にみられる。対策としては、原因疾患の治療が優先するが、栄養障害を伴う場合には、消化吸収されやすい食事を心がけ、総合消化剤も用いられる。

[石森 章]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「胃液欠乏症」の意味・わかりやすい解説

胃液欠乏症
いえきけつぼうしょう
gastric achylia

胃液の全成分の分泌量の不足している状態で,胃液の塩酸が不足したり,まったくなくなる低酸症や無酸症と区別している。一般の胃症状のほか,膵液の分泌が低下することが多い。萎縮性胃炎や胃癌などのときに,この症状の起ることが多い。治療としては,直接に希塩酸を処方することもあるが,一般には炭水化物に富んだ食物を与え,蛋白質を少くして,食事内容の改善によって機能の回復をはかる。

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