肥桶(読み)こえたご

精選版 日本国語大辞典 「肥桶」の意味・読み・例文・類語

こえ‐たご【肥桶】

〘名〙 (「たご」は桶の意) =こえおけ(肥桶)
※俳諧・桃青三百韻附両吟二百韻(1678)「松杉の木の間の庵京ばなれ〈芭蕉〉 糞担籠(コエタゴ)きよし村雨の空〈信章〉」
浮世草子好色万金丹(1694)五「糞担子(コヱタゴ)の嗅、冬葱(ねぶか)追風に鼻を塞がねば堪忍ならず」

こえ‐おけ ‥をけ【肥桶】

〘名〙 糞尿を入れて運ぶ桶。くそおけ。こえたご。こやしおけ。こやしたご。
※今弁慶(1891)〈江見水蔭〉四「十二三の小娘より、五十余りの老婆まで〈略〉炭俵を載せ甚しきは肥料桶(コエオケ)を頂き」

こやし‐おけ ‥をけ【肥桶】

千曲川スケッチ(1912)〈島崎藤村〉七「肥し桶を肩に掛けて、威勢よく向ふの畠道を急ぐ壮年(わかもの)も有った」

こい‐たご【肥桶】

〘名〙 「こえたご(肥桶)」の変化した語。
咄本・稚獅子(1774)小便たご「こいたごに青菜をいれ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「肥桶」の意味・読み・例文・類語

こえ‐おけ〔‐をけ〕【肥×桶】

糞尿ふんにょうを入れて運ぶ桶。こえたご。

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