肥厚性間質性神経炎

六訂版 家庭医学大全科 「肥厚性間質性神経炎」の解説

肥厚性間質性神経炎
(脳・神経・筋の病気)

 末梢神経が肥厚してくる疾患で、常染色体劣性遺伝(じょうせんしょくたいれっせいいでん)形式をとるものです。本症の一部に髄鞘(ずいしょう)の構成成分であるPMP22遺伝子、P0遺伝子の変異が見つかっており、シャルコー・マリー・トゥース病Ⅰ型の重症型と考えられています。乳幼児期に発症することが大多数です。

 末梢神経の髄鞘脱落脱髄(だつずい))、再生を繰り返して起こし、末梢神経の肥厚(タマネギの皮のような変化)が出てきます。多くは下肢に筋萎縮(いしゅく)が起こり、コウノトリ型の下肢と呼ばれる高度な萎縮となり、歩行時にトリのようにつま先が下がる独特の歩行になります(鶏歩(けいほ))。

 末梢神経伝導速度を測ると著しく遅くなっており、脊髄液(せきずいえき)の蛋白量も増えています。遺伝子診断が可能で、無症状のキャリア(遺伝子異常を媒介する)の存在が明らかになっています。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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