肝を煎る(読み)きもをいる

精選版 日本国語大辞典 「肝を煎る」の意味・読み・例文・類語

きも【肝】 を 煎(い)

① 心をいら立てる。心を悩ます。腹を立てる。肝を焦がす。肝を焼く。きもいる。
※歌謡・閑吟集(1518)「おもひきりしに来てみえて、きもをいらする、きもをいらする」
② 心づかいをする。熱心になる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
世話をする。取り持つ。きもいる。
※虎明本狂言・雁盗人(室町末‐近世初)「色々きもをいらせられて、御地走なされたる衆を」
浮世草子好色一代男(1682)七「兼々(かねがね)滝川に恋する者ありて、きもをいり、返事待(まつ)事あるが」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「肝を煎る」の意味・読み・例文・類語

きも・る

心をいら立たせる。やきもきする。
「円道様も為右衛門様も定めし―・って居らるるじゃろ」〈露伴五重塔
世話をする。取り持つ。
「―・ってくれる人のあるのを幸い」〈秋声・爛〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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