肉袒（読み）ニクタン

デジタル大辞泉

にく‐たん【肉^×袒】

肩脱ぎして肉体の一部を現すこと。昔、中国で降伏や謝罪の意を示すために行った。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

にく‐たん【肉袒】

〘名〙 上衣をかたぬぎして、肉体の一部をあらわすこと。昔、中国で、謝罪・降服の意を表わした。

※性霊集‐一〇（1079）秋日奉賀僧正大師詩・序「若夫、三老五更、至尊致肉袒之養」 〔春秋左伝‐宣公一二年〕

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【肉袒】にくたん

上体の肌をぬぐ。降服・謝罪の礼。〔史記、相如伝〕頗(れんぱ)之れを聞き、袒して(けい)（いばら）をひ、客に因りて相如(りんしやうじよ)の門に至り、罪を謝す。

字通「肉」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」

世界大百科事典（旧版）内の肉袒の言及

【肩】より

…一方，中国では左肩を脱ぐことを袒（たん）または左袒といい，吉事にも凶事にも行ったが，前漢の将軍周勃が呂氏一族の乱を鎮めようとしたとき，軍中に令して呂氏のためにする者は右袒し，劉氏のためにする者は左袒せよと言ったところ，全軍皆左袒した(《十八史略》)ことから，それは味方することを意味するようになった。また，謝罪のため右肩をあらわにすることを肉袒という。　古代エジプトの王(ファラオ)が昇天するときはラーとオシリスの2神の肩の上に乗ると考えられていた(ペピ1世および2世の〈ピラミッド･テキスト〉)。…

※「肉袒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」