普及版 字通 「肇(漢字)」の読み・字形・画数・意味
肇
人名用漢字 14画
(旧字)
14画
(異体字)
14画
[字訓] はじめ・はじめる
[説文解字]
[金文]
[字形] 会意
(戸)+聿(いつ)+攴(ぼく)。は神戸。聿は書。神戸の扉を啓(ひら)いて、祝の書を見ることを(啓)という。神意を承け、それによってことをはじめる意である。それでことを「肇(はじ)め」、また継承する意に用いる。金文に「(てうしょう)」という語があり、再命して承継することをいう。金文には・ともに戈(か)に従って・に作ることがあり、戈はその神戸を守る意と考えられる。〔詩、大雅、江漢〕に「戎(軍事)にす」とあるのも、肇して敏(いそ)しむ意であろう。〔説文〕三下に「つなり」と訓し、字をの省声に従うとする。戈部十二下にを録して「上(しゃう)の(いみな)なり」(和帝の名)とする。は李舟の〔切韻〕にも「つなり」とあり、・を別の字とするが、金文には「」にまたを用いており、同字とみてよい。また〔説文〕部十二上に「(てう)は始めて開くなり」とあり、それが字の義。・・の三形は、もと同字とみてよい字である。
[訓義]
1. はじめ、はじめる、はじめをつぐ。
2. ひらく、神戸をひらく。
3. はかる、ただす。
4. うつ。
5. 兆と通じ、兆域の意とする。
[古辞書の訓]
〔立〕肇 ハジメ 〔字鏡集〕肇 ハジメ・ハカル・ナガシ・ハジメテ
[声系]
・・を〔説文〕におのおの別の字とするが、もと同じ字。攴は啓く、戈は守る意で加えた。
[語系]
・・diは同声。金文の「」のを、それぞれの字形に作る例がある。
[熟語]
肇域▶・肇禍▶・肇基▶・肇▶・肇啓▶・肇建▶・肇国▶・肇歳▶・肇始▶・肇秋▶・肇緒▶・肇制▶・肇創▶・肇造▶・肇端▶・肇定▶・肇判▶・肇敏▶・肇闢▶・肇邦▶・肇謀▶・肇乱▶
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報