聖諭広訓(読み)せいゆこうくん(英語表記)Shèng yù guǎng xùn

改訂新版 世界大百科事典 「聖諭広訓」の意味・わかりやすい解説

聖諭広訓 (せいゆこうくん)
Shèng yù guǎng xùn

中国清朝康煕帝聖諭16条雍正帝が敷衍した一種教育勅語父母に対する孝養近隣との和睦,異端思想の排除など,支配者が人民に要求する儒教的な実践倫理をわかりやすく説いている。この宣伝普及のために,地域ごとに講約が設けられ,毎月1日と15日に講義が行われた。また学生の試験の際にも,これの暗記筆写が義務づけられて,清朝の思想支配強化のうえで一定の役割を果たした。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「聖諭広訓」の意味・わかりやすい解説

聖諭広訓
せいゆこうくん
Sheng-yu guang-xun; Shêng-yü kuang-hsün

中国,清の雍正帝民衆教化のため頒布した教訓。字数1万に及んだので万言諭ともいう。康煕帝が作成した聖諭 16条を雍正2 (1724) 年逐条的に解釈したもので,内容は民衆が郷にあって守るべき道徳,義務を中心にしたものであり,各自の分を明らかにし,その遵守によって支配の実をあげようとした。

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世界大百科事典(旧版)内の聖諭広訓の言及

【郷約】より

…王守仁(陽明)が江西の南部で保甲法とともに施行した〈南贛(なんかん)郷約〉はとくに有名であるが,さらに明末になると呂氏の綱領に代わり,太祖の教育勅語ともいうべき〈六諭(りくゆ)〉の講解が中心となった。清初には明代の郷約がうけつがれたが,康熙帝は新たに〈聖諭16条〉を頒布し,雍正帝はこれに注釈を加えて〈聖諭広訓〉を頒布した。【谷 光隆】
[朝鮮]
 朝鮮の郷約hyang yakは李朝の中宗12年(1517),ハングルで書かれた《諺解呂氏郷約》を金安国が刊行したのに始まる。…

※「聖諭広訓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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