精選版 日本国語大辞典 「聖戦」の意味・読み・例文・類語
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翻訳|holy war
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古代オリエントに一般的な信仰によると,神々がみずから戦争を指揮して戦い,勝利を収めると考えられた。シュメール人は,都市国家間の争いを各都市の所有者である神々の争いと考え,アッシリア人は,アッシュール神が遠征の命令を下し,王とともに戦場で戦うと信じた。古代人にとって,敵に勝つことは単なる世俗的事件ではなく,自然・人間界の秩序を破壊する悪の力を克服することを意味した。ウガリト神話は,主神エールやバアルが神々の集会を指揮して混沌の力と戦い,勝利を収めたことを語る。旧約聖書においても,ヤハウェは〈いくさびと〉あるいは〈万軍の主〉と呼ばれ,イスラエル人と外敵の戦いは〈ヤハウェの戦い〉とされる。また,敵に属するものはすべて神に〈献げられたものḥērem〉として,人であれ動物であれ全滅させることが聖戦の定めである。この聖戦思想は,黙示文学では,神と悪魔の間で戦われ,神が勝利する終末戦争(ハルマゲドン)になる。なお,イスラムのジハードも一般に〈聖戦〉と訳される。
→ジハード
執筆者:石田 友雄
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