聖人(しょうにん)(読み)しょうにん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「聖人(しょうにん)」の意味・わかりやすい解説

聖人(しょうにん)
しょうにん

仏・菩薩(ぼさつ)の別称が転じて、有徳(うとく)の僧の尊称として用いられるようになったもの。上人(しょうにん)、聖(ひじり)ともいう。聖、聖人とは多くは在俗の修善者に対する尊称として用いられたが、往生(おうじょう)伝や『法華験記(ほっけげんき)』などで混用されているように、聖、聖人、上人との間に厳密な区別はみられない。浄土系諸宗では上人号が用いられ、なかでも真宗では列祖は上人とよぶが、宗祖に限って親鸞(しんらん)聖人とし、日蓮(にちれん)宗でも日蓮聖人とよんでいる。

[藤井正雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android