聖(漢字)

普及版 字通 「聖(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

(旧字)
13画

[字音] セイ・ショウ(シャウ)
[字訓] ひじり

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
旧字はに作り、耳+口+(てい)。〔説文〕十二上に「なり」と通達の意とし、字を(呈)(てい)声に従うものとするが、字形と合わず、声もまた異なる。卜文に、(人の挺立する形)の上に耳をそえた形に作り、聞の初文。神の声を聞きうる人をいう。口((さい))は祝を収める器の形で、その神の声を聞きうる人を聖という。〔左伝、襄十八年〕に、当時神瞽といわれた師曠が、晋と楚とが戦うにあたって、その勝敗を卜し、風声を聞いて「南風競はず、死聲多し」と、楚の敗北を予言した話がある。そのようなものが聖者であった。周初の金文〔班(はんき)〕に「王王(わうじ)の孫」という語がみえ、また金文に「なる考」や「武」「哲」など、先人に聖を付していうことが多い。〔詩、小雅、正月〕に「(み)な予(われ)をばなりと曰ふも 誰(たれ)か烏の雌雄を知らんや」の句がある。〔論語、述而〕に、孔子は「と仁との(ごと)きは、則ち吾(われ)豈に敢てせんや」と述べており、聖は人間最高の理想態とされた。

[訓義]
1. ひじり、聖人知徳の最もすぐれた人。
2. さとい、一芸に達した人。
3. 天子。天子に関して敬語としてそえる。
4. 清酒。濁酒を賢という。

[古辞書の訓]
名義抄 ヒジリ・キク・コヱ・サカシ・カヨフ・ウム 〔字鏡集〕 ヒジリ・コヱ・ミカド・カヨフ・ウム・キク・ナガシ

[語系]
sjieng、聽(聴)thyengは声義が近く、聽はの右旁に(徳)の省文を加えた形。は、が耳の聡明を主とするのに対して、視ることの明らかなことを主とする字である。耳目の徳を合わせて、聡明という。

[熟語]
聖渥・聖意聖域聖裔聖睿聖叡・聖恩・聖化聖火聖駕聖誨・聖学・聖鑑・聖顔・聖輝・聖儀・聖躬聖教・聖業・聖君・聖訓・聖敬・聖系・聖経・聖賢・聖眷・聖語・聖功・聖后・聖宰・聖裁・聖作・聖策・聖旨・聖姿・聖思・聖師・聖嗣・聖時・聖者・聖主・聖寿・聖淑・聖処・聖緒聖詔・聖上聖心・聖臣・聖辰・聖人・聖水・聖瑞・聖世・聖制・聖製・聖籍・聖節・聖善・聖祚・聖聡・聖体・聖代・聖沢・聖旦・聖誕聖断・聖智・聖知・聖衷・聖朝・聖聴・聖勅・聖帝・聖哲・聖・聖徹・聖典・聖図・聖統・聖道・聖徳・聖範・聖・聖武・聖・聖明・聖門・聖問・聖諭・聖・聖容・聖覧・聖略・聖林・聖令・聖霊・聖暦
[下接語]
亜聖・英聖・睿聖・叡聖・淵聖・往聖・歌聖・画聖・楽聖・希聖・棋聖・剣聖・賢聖・元聖・玄聖・彦聖・降聖・三聖・四聖・至聖・詩聖・酒聖・書聖・紹聖・神聖・真聖・仁聖・斉聖・清聖・絶聖・仙聖・先聖・草聖・聡聖・大聖・誕聖・知聖・通聖・哲聖・文聖・明聖・歴聖・列聖

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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