耳近(読み)みみぢかい

精選版 日本国語大辞典 「耳近」の意味・読み・例文・類語

みみ‐ぢか・い【耳近】

〘形口〙 みみぢか・し 〘形ク〙 (「みみちかい」とも)
① 耳の近くにある。近くに聞こえる。声・音などが耳に迫る。
更級日記(1059頃)「松風いとみみちかう心細く聞えて」
② 身近なこととして聞くさまである。親身である。また、聞きなれてわかりやすい。身近である。親しみやすく感じる。
※宇津保(970‐999頃)楼上下「さりぬべき折になど聞きて、ものして侍るを、みみちかくあはれにきき侍りしが
談義本・教訓雑長持(1752)五「又小夜衣とて、ずんど耳近(ミミチカ)ひ貞女の噂を書た物がある」

みみ‐ぢか【耳近】

〘名〙 (形動)
① 耳に近いこと。また、そのさま。
※玄武朱雀(1898)〈泉鏡花〉八「すぐ其耳近にまた笛の音がしたのである」
② 聞きなれていること。聞いてわかりやすいこと。また、そのさま。
※九冊本宝物集(1179頃)五「わが朝の事は余りに耳近に侍れども、夫も少々申侍るべきなり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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