老伴(読み)ろうはん

精選版 日本国語大辞典 「老伴」の意味・読み・例文・類語

ろう‐はん ラウ‥【老伴】

〘名〙 ひさしい間の伴侶。妻をいうことば。また、年とった伴侶や、老後の伴侶。
※本朝文粋(1060頃)一二・池亭記〈兼明親王〉「南島之五大夫作老伴。東岸之一脈泉為知音」 〔白居易‐対琴待月詩〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「老伴」の意味・わかりやすい解説

老伴
おいのとも

三重県松阪(まつさか)市の名菓。いわば最中(もなか)の変形だが、老伴の創始は最中より古い天正(てんしょう)年間(1573~92)、近江(おうみ)国(滋賀県)日野から松阪に移った蒲生氏郷(がもううじさと)の御用菓子司、柳屋奉善の手になる。最中は2枚の皮を拝み合わせにするが、老伴は1枚の最中種(だね)に、朝日に見立てた紅餡(べにあん)を盛った。最中皮の文様は、帰化人東漢(やまとのあや)氏の屋敷の端瓦を写したといわれ、菓子名も初めは「古瓦」であった。紅餡をいまの羊かん種に変えたのは幕末のことで、松阪の長者三井高利がある茶席で「老いののちもともどもに」と賞賛し、このため菓子名も「老伴」に改められた。

[沢 史生

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デジタル大辞泉プラス 「老伴」の解説

老伴(おいのとも)

三重県松阪市、柳屋奉善が製造・販売する銘菓。最中に羊羹を流し込み、片面糖蜜で覆ったもの。古くは「古瓦」として売られた。

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