翻字(読み)ほんじ(英語表記)transliteration

精選版 日本国語大辞典 「翻字」の意味・読み・例文・類語

ほん‐じ【翻字】

〘名〙 ある文字体系で書かれたものを、他の文字体系の文字で書きかえること。

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デジタル大辞泉 「翻字」の意味・読み・例文・類語

ほん‐じ【翻字】

[名](スル)ある文字体系で書かれたものを、他の文字体系を使って書き換えること。「キリシタン文献を漢字カタカナまじりに翻字する」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「翻字」の意味・わかりやすい解説

翻字
ほんじ
transliteration

ある文字体系で書かれているものを異なる文字体系 (通例ローマ字 ) に1対1の関係を保ちながら書き換えること。転字ともいう。実際発音に関係なく,字母から字母へ機械的に対応させて移すことをさすのが普通。実際の発音を音声表記,音韻表記することは転写 transcriptionと呼んで区別する。ただし,術語邦訳は各種の案があり,「転写」を transliterationに用いる人もいる。たとえば,歴史的かなづかいの「こほり」 (氷) の transliterationは,koporiであるのに対し,この現代の読み方の transcriptionは,kooriである。

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図書館情報学用語辞典 第5版 「翻字」の解説

翻字

変換規則変換表に基づき,ある文字体系を別の文字体系に変換すること.例えば,日本語の文字である「そら」をローマ字で「sora」とすること.特にローマ字以外の文字をローマ字に翻字することを「ローマ字化」といい,これは,目録作成においては,記述排列の便のために長く用いられてきた.国際標準規格として,日本語,キリル文字ハングルアラビア文字などのローマ字化の規則が定められている.

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世界大百科事典(旧版)内の翻字の言及

【文字】より

… すでに文字表記の習慣のある言語についても,それがローマ字以外の文字である場合には幾つかの言語を比較対照する目的などのために固有の文字の代りにローマ字を用いる場合がある。その場合,固有の文字のつづりを離れてその言語の音をローマ字で〈表記〉する場合と,固有の文字のつづりに即してローマ字で〈転写〉(あるいは翻字)する場合とがあり,それぞれ目的に応じて長短がある。表記にあたって音声学的に表記しようとすれば,普通のローマ字では字が不足である。…

※「翻字」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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