群集(植物)(読み)ぐんしゅう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「群集(植物)」の意味・わかりやすい解説

群集(植物)
ぐんしゅう

植物群落分類の基本単位。群集は標徴種(ある型の群集に特徴的な種)と識別種(群集をさらに下位単位に区分するための種)によって規定され、しかも一定の相観(植物集団の姿)と生育条件も、その分類上の対象とされる。群集はさらに共通の標徴種によって群団、オーダー(群目)、クラス(群綱)と高次の単位(上級単位)にまとめられる。また、下位単位として亜群集、変群集の区分があるが、これらは識別種(区分種)や優占種によって規定される。これらの群落階級は植物社会学的群落体系とよばれる。群集およびその上級単位は国際的な規約に従って命名され、階級に応じて一定の語尾ラテン語)をもつ。日本では、すでにおよそ43のクラスのもとに、約400の群集が記載されている。ただし、群集名が2植物の連名の場合、同質の群集であるにもかかわらず和名呼称に正逆両様がみられるが、これは、まだ学者間の意見の一致をみていないためである。

[奥田重俊]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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