群群・叢叢・斑斑（読み）むらむら

精選版 日本国語大辞典

むら‐むら【群群・叢叢・斑斑】

〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)

① あちこちにむらがっているさま、まだらなさまを表わす語。

※古今（905‐914）雑体・一〇〇五「にはのおもに むらむらみゆる 冬くさの うへにふりしく しらゆきの〈凡河内躬恒〉」

② 群れをなして勢いよく移動したり、集まったりするさまを表わす語。むやむや。

※古文真宝彦龍抄（1490頃）「木刀を以て又竿でした旗を持て出たれば天下がむらむらと随た」

③ 雲や煙などの立ちのぼるさまを表わす語。

※狂歌・銀葉夷歌集（1679）四「むらむらと山口よりもはく雲はあした一ぺんの時雨なりけり」

④ 突如として抑え切れない感情や思いがわきあがるさまを表わす語。

※滑稽本・七偏人（1857‐63）三「お麦めを惚させるのは宜が余り手強くむらむらとさせたら、直に女房に成うなんのと」

⑤ 急に怒りがこみあげるさまを表わす語。

※浮雲（1887‐89）〈二葉亭四迷〉二「文三はムラムラとした。すこし声高に成って」

出典　精選版 日本国語大辞典