精選版 日本国語大辞典 「美浜」の意味・読み・例文・類語
みはま【美浜】
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和歌山県中央部西端,日高郡の町。人口8077(2010)。町域は東西に細長く,南は太平洋に面して長い海岸線を有し,西端に日ノ御埼がある。西部はリアス式海岸であるが,東部には全長5kmにわたり松林の砂浜が続き煙樹ヶ浜(えんじゆがはま)とよばれる。紀州藩主徳川頼宣が防潮林として植えたものと伝える。東部を南流する西川の流域は御坊平野の一画を占めるが低湿地が多い。米作のほか野菜の促成栽培が行われる。漁業は漁法や魚介類の種類が豊富で,ブリ,イセエビ,アワビ,サザエなどが水揚げされる。西部の三尾(みお)は明治中期以降カナダ太平洋岸への出稼ぎが盛んで,俗に〈アメリカ村〉とよばれる。同地には《万葉集》に詠まれた〈三穂の石室(いわや)〉に比定される岩穴があり,〈風早の三穂の浦廻(うらわ)〉ともうたわれた。三尾湾に浮かぶ弁天島はウミネコの繁殖地として知られる。和田に鎮座する御崎神社は《三代実録》に〈三前(みさき)神〉とみえる古社。
執筆者:上田 雅子
福井県南西部,三方(みかた)郡の町。人口1万0563(2010)。若狭湾に面し,海岸部は西は常神(つねかみ)半島東半部から東は敦賀半島西半部にわたり,常神半島の付け根にある三方五湖のうち日向(ひるが)湖,久々子(くぐし)湖が当町に属する。南は滋賀県境の山岳地で,中央を耳川が北流する。中世には国衙(こくが)領の山西郷と山東郷,春日社(興福寺)領耳西郷,また山西・山東両郷と錯綜しつつ山門(延暦寺)系寺院領織田荘などの地であった。佐柿にあった国吉城は若狭守護武田氏の属城で,その家臣粟屋氏が守り,数度にわたる越前朝倉氏の侵攻を防いだと伝える。海岸部一帯は若狭湾国定公園に含まれ,敦賀半島西岸の菅浜や水晶浜は風光にめぐまれ,海水浴場ともなっている。敦賀半島先端近くには関西電力美浜原子力発電所がある。久々子湖畔の久々子からは三方五湖巡りの遊覧船が出る。JR小浜線,国道27号線が通じる。
執筆者:上田 雅子
愛知県南部,知多郡の町。人口2万5178(2010)。知多半島南部に位置し,東は知多湾,西は伊勢湾に面する。名鉄河和(こうわ)線が通じる中心集落の河和(こうわ)は,紡績,食品加工などの工場が立地し,ノリ養殖などの漁業や観光の拠点にもなっている。伊勢湾沿岸の野間は,江戸時代,千石船による海上輸送の基地として栄えたところで,現在,海岸一帯は三河湾国定公園に指定され,海水浴,潮干狩りなどでにぎわう。中央部の丘陵地では米作,ミカン栽培,養豚などが盛ん。源義朝や織田信孝の墓がある大御堂寺(野間大坊),カワウの繁殖地鵜の山(天)などがある。南知多道路,名鉄知多新線も通じる。
執筆者:萩原 毅
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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