美女平(読み)びじよだいら

日本歴史地名大系 「美女平」の解説

美女平
びじよだいら

弥陀みだはら台地の西端にあたる。標高九八〇メートルで、溶結凝灰岩に軽石流が流入してできた台地。美女平の地名女人禁制伝説の美女杉にちなんで成立した。美女杉の由来については、「和漢三才図会」や「越中志徴」が引く諸国里人談などからうかがわれる。諸国里人談には、昔若狭国小浜おばま(現福井県小浜市)に止宇呂尼という尼僧がおり、女人結界の地である立山を壮女一人・童女一人を伴って登拝しようとしたが、川の上で壮女が杉の木に化したという伝承を載せる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「美女平」の意味・わかりやすい解説

美女平
びじょだいら

富山県南東部、立山(たてやま)の西側に広がる弥陀ヶ原(みだがはら)溶岩台地の西端部分で標高1000メートル。地名は、女人禁制の立山へ登ろうとした女が神の怒りに触れ1本の杉に化したという伝説による。周囲には立山杉の巨木が繁茂している。富山地方鉄道の終点立山駅からケーブルが通じ、立山高原バスの始発駅となっている。

[深井三郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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