羊蹄(読み)ぎしぎし

精選版 日本国語大辞典 「羊蹄」の意味・読み・例文・類語

ぎし‐ぎし【羊蹄】

〘名〙
タデ科多年草。各地の路傍湿地水辺に生える。ヨーロッパ原産。高さ〇・六~一メートル。長大な根がある。根ぎわの葉は長さ約三〇センチメートルの長楕円形で縁は波状、長柄をもち叢生する。茎につく葉は上部のものほど小さく披針形。六月ごろ茎の上部で分枝して花穂をのばし、小さな淡黄緑色の花を節ごとに輪生する。果実は三稜形ではじめ淡緑色のち褐色に熟す。新芽はぬらぬらして食用に供される。根の汁液は皮膚病に用いられる。漢名、羊蹄。いちし。しのね。しぶくさ。《季・春》
▼ぎしぎしの花《季・夏》
※名語記(1275)九「草の名にぎしぎし如何。これは、ふたつを、すりあはすれば、ぎしぎしとなる故に」 〔俳諧・毛吹草(1638)〕
植物たうこぎ(田五加木)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕

よう‐てい ヤウ‥【羊蹄】

〘名〙
① 植物「ぎしぎし(羊蹄)」の漢名。〔俳諧・清鉋(1745頃)〕 〔爾雅注‐釈草〕
② ①の根。新鮮なものをつき砕いて、皮膚病の患部に塗布し、また、大黄代用として緩下剤とする。

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デジタル大辞泉 「羊蹄」の意味・読み・例文・類語

ぎし‐ぎし【羊蹄】

タデ科の多年草。道端にみられ、高さ1メートルに達する。茎は直立し、下部の葉は長い柄をもち、長楕円形。夏、小花が円錐状に密につき、実は三角形で褐色。民間で、根をおろして絞った汁を皮膚病に用いる。し。しのね。しぶくさ。 春 花=夏》「―も雀隠れの穂をあげし/禅寺洞」

し‐の‐ね【羊蹄】

ギシギシ古名。〈新撰字鏡

し【羊蹄】

ギシギシの古名。〈和名抄

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動植物名よみかた辞典 普及版 「羊蹄」の解説

羊蹄 (ギシギシ・シ)

学名Rumex japonicus
植物。タデ科の多年草,薬用植物

羊蹄 (ギシギシ)

植物。キク科の一年草,薬用植物。タウコギの別称

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